top of page
somuka

御室藝術祭2021 第3ステージ<染色>

更新日:2021年9月16日

期間:2021年 4月8日(木)~4月18日(日)

作家:関水 美穂


<展示概要・作家さまコメント>

【展示テーマ】

御室藝術祭第三ステージでは、「水」をテーマに鉱石をモチーフとした着物と帯を展示しました。

作品のモチーフとなった鉱石は、ミネラルを多く含んだ水の中で何万年もの長い時間を掛けて成長します。結晶が鉱石特有の形へと成長するために水の存在は欠くことが出来ません。鉱石をデザインした着物と帯は型染技法を用いて青色を基調に手染めしており、色彩からも水を感じる展示構成としました。


【制作コンセプト】

着物の柄には、花鳥風月など自然を題材にした図案が好まれてきました。大陸から伝来した文様の影響や、友禅模様の流行など様々な要因はありますが、日本人にとって自然が身近なものであり畏怖の対象であったことも無関係ではないと考えています。

今私たちを取り巻く自然は、科学技術の発展と共に目に見えない小さな細胞や原子、深海や地下、そして宇宙へと範囲を広げています。日々拡大する自然環境を着物に染め描くことで、現代の日本人と自然の関係性を新たな花鳥風月として表現しています。


【展示を終えて】

御室藝術祭へお誘いいただいた当初、花を展示テーマとして検討していたのですが、桜の名所でもある仁和寺の春の色彩を考慮し、花を育む「水」を展示テーマと致しました。

実際に展示を行った白書院は思っていた以上に迫力のある重厚な空間でしたが、作品を配置してみると違和感はありませんでした。文化財建築の存在感は大きく、それでいて開放的でも有り、あらゆる作品を許容する空間に驚かされました。


伝統文化と現代のアート表現は一見異質で結びつかない物の様に思われるかも知れません。しかし本展示を通して、現代の作品表現の中にも伝統的な感覚は少なからず受け継がれており、根本の部分では繋がっているということを感じていただけましたら幸いです。


今回、白書院や黒書院という貴重な空間での展示を実現できたのは仁和寺を支える方々のご理解とご尽力あってのものです。文化財建築を惜しみなく使用させて下さった仁和寺の皆様、またご覧頂いた皆様に感謝致します。



<展示の様子>


閲覧数:29回0件のコメント

Comments


bottom of page